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文献詳細

雑誌文献

臨床外科8巻10号

1953年10月発行

文献概要

綜説

Billroth第1法と管状胃切除術

著者: 山岸三木雄1 渡辺三作1 衣笠昭1 松並義輝1

所属機関: 1横浜医科大学外科教室

ページ範囲:P.553 - P.559

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 胃潰瘍に対する最も効果的の外科的療法は広汎胃切除術であることは現代一般に認められている.即ち潰瘍部を含めて胃を広汎に切除して術後の胃液酸度を低下せしめることが必要である.その術式に関し,Billroth第1法(B.I)が生理的,解剖的見地からBillroth第2法(B.II)より優つていることは云うまでもないが,何故一般にはB.IIが広く行われているかは,從来のB.Iには実際的に幾多の支障,制約があつたからである.併し我國では最近B.Iの優秀性が再認識せられ,瀬尾,河合,中山の諸教授がそれぞれ創意的のB.I変法を案出され,中山氏法が広く用いられつゝあることは,B.Iを支持する我々には喜ばしいことである.
 從来のB.Iの最大の欠点は云うまでもなく広汎胃切除が困難であつたことである.即ち胃を広汎に切除せんとすれば,胃十二指腸吻合部に必然的に緊張が生じ,縫合不全の危險があつたからである.このことは広汎胃切除を行う場合には致命的欠陷と云わざるを得ない.この外の欠点として,吻合部の縫合線の交叉による弱点,吻合口に狹窄を起し易き点などがあげられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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