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症例
Erb氏麻痺の保存的療法
著者: 守安久1
所属機関: 1米子市博愛病院外科
ページ範囲:P.600 - P.601
文献購入ページに移動 Erb氏麻痺は第5,6頸神経麻痺であり,主として外傷に引続いて来る肩及びは肘関節の運動麻痺によつて気付かれる.然も腕神経叢部に加わつた直達外力によるよりも,上肢に牽引力が加わつて腕神経叢が過度に伸展されて起るものの方が多いと云われている.そして治療及び予後に関しては神経断裂なく圧迫,過度伸展によるものは保存的に治療して予後は屡々可良であるとされているが観血的に処置した報告は屡々見受けられるにも拘らず保存的治療を行つた報告は少い樣である.私は茲に「トラック」轉覆事故によつて起つたErb氏麻痺が約8ヵ月にわたる保存的療法により全治した1例を報告する.
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