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綜説
所謂外傷性虫垂炎について
著者: 小坂親知1 大圃源左衞門1
所属機関: 1日本大学外科学教室
ページ範囲:P.607 - P.613
文献購入ページに移動 外傷が虫垂炎の1原因をなすことは成書にも記載されているが,臨床には甚だ稀にしか遭遇しない症例である上に未だ完全に説明されているわけではない.
1823年Copland氏は右腸骨窩膿瘍は外傷又は過動に基因すると唱へ,1900年Führbringer氏が初めて直接外傷と関係ありと認められた盲腸周囲炎の自驗3例を述べ,実驗的には不成功であつたと報告してより,Neuman氏(1900)之に賛し,Pohl氏(1910)は受傷後16時間目で既に虫垂の穿孔を見たる1例を報じ,Vasquez氏(1924)は騎兵に虫垂炎の多きを外傷に因るガスの圧入と腹壁及び腸腰筋等の收縮による循環障碍を以て説明し,Brüning氏(1926)は虫垂の直接損傷又は盲腸内容の虫垂内圧入或は又外傷に基く腸管麻痺等種々なる機轉に基いて外傷性虫垂炎の発生し得可きを主張した.
1823年Copland氏は右腸骨窩膿瘍は外傷又は過動に基因すると唱へ,1900年Führbringer氏が初めて直接外傷と関係ありと認められた盲腸周囲炎の自驗3例を述べ,実驗的には不成功であつたと報告してより,Neuman氏(1900)之に賛し,Pohl氏(1910)は受傷後16時間目で既に虫垂の穿孔を見たる1例を報じ,Vasquez氏(1924)は騎兵に虫垂炎の多きを外傷に因るガスの圧入と腹壁及び腸腰筋等の收縮による循環障碍を以て説明し,Brüning氏(1926)は虫垂の直接損傷又は盲腸内容の虫垂内圧入或は又外傷に基く腸管麻痺等種々なる機轉に基いて外傷性虫垂炎の発生し得可きを主張した.
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