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文献詳細

雑誌文献

臨床外科8巻11号

1953年11月発行

文献概要

綜説

腹腔内異物遺残の本邦文献の統計的観察

著者: 木下公吾1 井上圭太郞2

所属機関: 1久日市診療所 2國立広島病院

ページ範囲:P.621 - P.626

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 細心の注意と最大の緊張の下に行われるべき手術,殊に開腹術に於て,ガーゼ・手術器械等が異物として腹腔内に遺残せられるとは,一寸考えられない事のようにも思われるが,欧米では相当数の報告があるものの如く,亦吾等も時に斯る事故の起りたる噂を耳にせぬでもない.本邦に於ける報告例が比較的少ないのは,一つには各位が一層の注意を以て手術に臨む賜であろうけれども,一つには種々の事情で報告を差し控える向もあるのではないかと思われ,実際の症例数はそれよりも梢々多いのではないかと愚考される.
 吾々も最近,偶々その1例を経驗したので茲にその概略を報告し併て本邦文献の統計的観察を行つた.諸賢の御批判を仰ぐと共に自他誡心の資としたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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