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文献詳細

雑誌文献

臨床外科8巻11号

1953年11月発行

文献概要

綜説

Cystin uraminic acid calciumの結核症に対する臨床例

著者: 十河信1 木下三郞1 秋田政昭1

所属機関: 1名古屋大学医学部戸田外科教室

ページ範囲:P.627 - P.633

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 Cystin uraminic acid calcium(C. U. C.)の構造はで此の物質の結核症に対する実驗的研究は別に発表した如く試驗管内では著しい抗菌性は認められなかつたが動物実驗では初感染巣及び初期変化群リンパ節に於いてDihydrostreptomycin(ストマイ)に比し速に結合織性組織の増生が起り線維化の傾向が著明であつてストマイ群の如く膿瘍形成は認められなかつた.病理組織学的には対照群は何れも細胞の破壞壞死或は結節形成乾酪化が著明であったがストマイ群は一般に結核菌の侵襲を未然に防いだ状態であり修復機轉は余り観られないのに反しC. U. C.群は線維化限局化の傾向強く旺盛な防禦機轉を示している.肺に於いてはストマイ群が滲出型にあるのにC. U. C.群では寧ろ増殖型を呈していた.他の臟器に於いても例えば脾に於いてストマイ群では結核性肉芽層が比較的厚いのに対しC. U. C.群では線維化が著明に現われていた.
 実驗的にも未だ研究すべき多くの問題を残しているが我々は此の物質を臨床的に應用し相当の効果を認め得た.殊に滲出性肋膜炎,滲出性肺結核並びに結核性潰瘍に著効を認め一般症状としては体温の下降,食慾の増進,盗汗の消失,咳嗽,喀痰,血沈の好轉が認められ特にストマイとの併用の場合にその効果は相乘的に著しいと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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