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文献概要
症例
頸部淋巴細網肉腫の1例
著者: 山田榮吉1
所属機関: 1昭和病院外科
ページ範囲:P.812 - P.815
文献購入ページに移動 慢性炎症性疾患(結核性諸疾患・骨膜骨髄炎・種々難治性潰瘍・放線菌病・梅毒等々)の病竈を母地として惡性腫瘍の併發を見る事は決して稀有では無いが,筆者は結核性淋巴節炎(頸部)の一旦治癒後淋巴細網肉腫を併發した症例を經驗したので追加報告する事にした。自驗例の概要を記述すれば次の如くである。
自験例:○部○文:26歳男子悪性腫瘍遺傳關係なし)現病歴:昭和23年6月頃右頸部に小指頭大乃至拇指頭大の籔個の淋巴節腫脹現われ,皮膚と癒着し一部軟化したので,某醫より結核性淋巴節炎として7月31日迄54日間穿刺排膿ツベルフラビン20cc局所注入を受けたが自潰し8月1日より創所置と共に太陽燈照射を翌年2月5日迄7ヵ月間に亙り實施され,爾後は9月3日迄創所置を受け小硬結を残し略々治癒の斷定を受けた。然るに約半カ年を経た昭和25年3月再び該部は發赤・腫脹・波動を示めすに至つたので主治醫より筆者に初めて紹介された。當時極く輕症乍ら兩側肺浸潤のため當院の内科で治療が開始されて居たので,(S.M.及びパス,筆者は該部イヒチオール塗布と1週1回の割で數回レ線照射を行いたるも1ヵ月半後自潰したので,パス又はチビオン末等を使用しその間數回太陽燈照射を試みた。
自験例:○部○文:26歳男子悪性腫瘍遺傳關係なし)現病歴:昭和23年6月頃右頸部に小指頭大乃至拇指頭大の籔個の淋巴節腫脹現われ,皮膚と癒着し一部軟化したので,某醫より結核性淋巴節炎として7月31日迄54日間穿刺排膿ツベルフラビン20cc局所注入を受けたが自潰し8月1日より創所置と共に太陽燈照射を翌年2月5日迄7ヵ月間に亙り實施され,爾後は9月3日迄創所置を受け小硬結を残し略々治癒の斷定を受けた。然るに約半カ年を経た昭和25年3月再び該部は發赤・腫脹・波動を示めすに至つたので主治醫より筆者に初めて紹介された。當時極く輕症乍ら兩側肺浸潤のため當院の内科で治療が開始されて居たので,(S.M.及びパス,筆者は該部イヒチオール塗布と1週1回の割で數回レ線照射を行いたるも1ヵ月半後自潰したので,パス又はチビオン末等を使用しその間數回太陽燈照射を試みた。
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