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文献詳細

雑誌文献

臨床外科8巻4号

1953年04月発行

外科と生理

その17

著者: 須田勇1

所属機関: 1慶應大學醫學部生理學教室

ページ範囲:P.200 - P.201

文献概要

4:3 臥位性呼吸困難(orthopnea)
 臥位では呼吸困難があるが坐位をとると呼吸が樂になるという現象が所謂坐位呼吸である.坐位呼吸というのは変な言葉で,臥位での呼吸困難といつた方がよく判る.
 臥位で発現する呼吸困難が何故坐位では消失するか,ということの生理学的機序に就ては色々に考えられて来た.第1に考えられたのに坐位によつて肺活量が増すというと横隔膜の重力による下降が起る。同樣に,肺の血管系に鬱血があれば重力によつて除かれる部分も出来るが,それによつて呼吸困難が改善されることも考えられる.第2は,坐位の方が肺組織の伸屈が充分行われるからとの考え方もある.第3に,第1と同じ理由で中枢での鬱血が除かれ血液循環がよくなるために代謝物質が洗い洗されることが呼吸困難の取除かれる原因だとの考えもある.要するに,臥位と坐位とで作用する物理的要因に呼吸改善の契機を求めてこの現象を説明しよととするものである.そこで,前に述べた一般に呼吸困難を起す要因が坐位から臥位に移る時に増強されるか否かを檢討することが順序である.この点をAltschuleの意見に從つて次に述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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