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これからの胃外科
著者: 中田瑞穗1
所属機関: 1新潟大學醫學部外科學教室
ページ範囲:P.217 - P.226
文献購入ページに移動 與えられた課題は「これからの胃外科」というのである.私は勝手に胃外科というのを胃十二指腸潰瘍と胃癌の根治手術に限定することにする.そして以下略字を使うことをお断りして置く.即ち胃潰瘍はU.v,十二指腸潰瘍はU.d.双方を含む場合をU.吻合部消化性潰瘍をU.p.j.と略記する.
さて世の中の何ごとでもそうであるが殊に科学のことに関して将来の見透しということ位難かしいものはない.それが医学と狹められ,外科と絞られても之の難しさは少しも変らない.難しいというよりも不可能であるという方が正しいであろう.殊に遠い将来の予見は全く不可能である.仮りに現在のあらゆる関係知識を悉く備えた上で考えたとしても,現在自分でとても不可能事に属する,夢にも考え及ばぬことであると理解して居ることが将来立派に可能となり実現して行つたためしは数限りないのである.況や不完全な知識しか持ち合せない私の考えでは将来のことなど中々予言出来るものではない.しかしそれをせよという課題のように見える.自由に想像して見よう.
さて世の中の何ごとでもそうであるが殊に科学のことに関して将来の見透しということ位難かしいものはない.それが医学と狹められ,外科と絞られても之の難しさは少しも変らない.難しいというよりも不可能であるという方が正しいであろう.殊に遠い将来の予見は全く不可能である.仮りに現在のあらゆる関係知識を悉く備えた上で考えたとしても,現在自分でとても不可能事に属する,夢にも考え及ばぬことであると理解して居ることが将来立派に可能となり実現して行つたためしは数限りないのである.況や不完全な知識しか持ち合せない私の考えでは将来のことなど中々予言出来るものではない.しかしそれをせよという課題のように見える.自由に想像して見よう.
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