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文献詳細

雑誌文献

臨床外科8巻6号

1953年06月発行

綜説

直腸癌に関する2・3の所感

著者: 島田泰男1

所属機関: 1市立宇和島病院外科

ページ範囲:P.309 - P.310

文献概要

 直腸癌の問題は近来手術死亡率の著しい低下と治療が普及化せるため一般的に相当安易感を以つて取扱われている様である.癌腫として比較的容易に診断され且手術手技も安易化せるを理由として軽々に扱われるが如きは愼まなければならぬ.
 手技の容易,死亡率の軽微の故を以つて猪突の勢を以つて,全國的に頸動脈球が剔出され,蛔虫性腹痛によつて虫垂が有無を云はせず切除せられ,適應を飛躍してまで胸廓成形術が流行し,且つは胃潰瘍の名の元に胃炎が全剔せらるる如き風調なからんことを念ずるに際し,直腸に於ける病変の炎症性乃至良性なるものを手技の安易感の故を以つて診断の愼重を欠き,相次いで直腸の切断せられゆく事なきを期し度い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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