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文献詳細

雑誌文献

臨床外科8巻9号

1953年09月発行

文献概要

特集 最新の麻醉

両側開胸時の麻醉に就て

著者: 石川義信1 米沢利英1 大場直人1 橋本信1 大原到1 南城永城1 高橋希一1 大原梧樓1

所属機関: 1東北大学桂外科

ページ範囲:P.533 - P.538

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 先年吾々は当誌1)に両側開胸の臨床経驗について述べたが其の後症例を重ねたので,両側開胸時の麻醉に就て述べる.胸部外科特に縦隔洞の惡性腫瘍の手術時に両方の胸腔を開放することのある事は縦隔洞惡性腫瘍の手術を実施した人の屡々経驗するところであると思う.文献的にもKüttner2),Sweet3),Parker4),大沢5),高橋6),幕内7)等の報告が見られる.
 桂外科教室で最近行われた85例の開胸手術中,食道癌65例中18例,縱隔洞腫瘍11例中2例,心及び心嚢手術3例中1例,合計21例で両側開胸を起している.此の内食道癌は手術侵襲側から縱隔肋膜を介して他側をも開放したもので,他は前胸部から手術侵襲を加えて両側の肋膜を開放したものであるが,後述する如くに此の2者の開胸樣式によつて肺の萎縮の起り方に相異を認める.尚お之等の21例中心嚢手術の1例をのぞいてはすべて惡性腫瘍である.吾々は之等の臨床例を研討し更に動物実驗を加えて両側開胸時の麻醉に就て考究したので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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