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文献詳細

雑誌文献

臨床外科9巻1号

1954年01月発行

綜説

交感神経外科と生体熱分布測定

著者: 羽田野茂1 阿曾弘一1 垣內直樹1 藤原國芳1 斎藤聰芳良1

所属機関: 1東京大学医学部木本外科教室

ページ範囲:P.17 - P.24

文献概要

緒言
 四肢末梢循環障碍に基く種々の疾患例えばレイノー氏病,特発性脱疽,間歇性跛行症,acrocy—anosis並に四肢の血管性疼痛たるカウザルギー,肢端紅痛症等に対しては交感神経節切除術が行われている.而して個々のの症例に対し,此の手術が効くか効かないか,効くとすればどの程度に効くかを術前に予知する爲に,J. C. White1)2)は1%プロカインを以て直接交感神経節を麻痺させ,術側皮膚温の上昇度を調べたが,(Paravertebral procaine block)爾来本法は今日に至る迄広く採用されている。図1はレイノー氏病患者に本法を行い,術側皮膚温の著しい上昇を示したものである。但しこの方法は,プロカインが実際に交感神経節に充分達し得たか否かが明かでなく,從つて反應陰性の場合の成績判定に迷うことが屡々ある.我々はこの点を考慮して,2,3の檢査方法を考案施行して居るので,ここにその概略を述べたいと思う.
 昭和27年第52回外科学会総会及びその他の学会で屡々発表したように3),生体中心部温度は末梢皮膚温度と逆相関の関係を示す.即ち図2に示す如く発熱に際しては皮膚温度の下降に從い,生体内温度例えば肝臟部温度は上昇し,下熱に際してはこれと逆の現象が起る.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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