icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科9巻1号

1954年01月発行

症例

慢性腸間膜動脈性十二指腸閉塞症1新手術法「十二指腸轉位術」の提唱

著者: 工藤惟之1 西脇勉1 三吉秀彥1

所属機関: 1群馬縣太田市太田病院外科

ページ範囲:P.29 - P.32

文献概要

 Rokitansky(1863)がはじめて腸間膜根の圧迫による十二指腸閉塞症を発表して以来腸間膜動脈性十二指腸閉塞症が世に知られたのであるが,その成因に関しては古来Habererの代表する機械的圧迫説とMelchiorの代表する胃十二指腸急性アトニー説とが対立して未だに論議が絶えない.多くの急性型報告例を見ると胃十二指腸の極度の膨満と上腸間膜動脈の走行に一致する閉塞とが認められて,かゝる末期では機械的閉塞と胃腸管麻痺との孰れが先行し,孰れが主役を演じたかを判別し得ないことが多い.そこでこの樣な劇烈な症状を呈しない以前の慢性型の存在が重要な意味を持つて来る.
 私共は先に18歳女に発生した急性腸間膜動脈性閉塞症の1症例について雜誌外科上に報告すると共に些か考察を試みたが,その後偶々本症の慢性型に遭遇したのでその特異な解剖学的所見を報告すると共に,これに対して行つた新手術法「十二指腸轉位術」を提唱して諸先輩の批判を仰ぐものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら