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文献詳細

雑誌文献

臨床外科9巻11号

1954年11月発行

特集 整形外科特集号

股関節結核治療の検討

著者: 伊藤鉄夫1 植木省三1

所属機関: 1山口医大整形外科

ページ範囲:P.793 - P.799

文献概要

まえがき
 関節結核治療の原則は何れの関節に於ても厳守されなければならないのであるが,今特に股関節結核をとりあげた理由は,股関節結核は種々な治療法の効果を分折的に研究するのに最も好都合な条件を供えているからである.股関節は特有な解剖学的構造を有するために他の関節に於ては見られない様な複雑な病変が起り,そのために各病変に応じて治療法を変えてゆかなければ充分な治療効果を挙げることは出来ない.而もその治療法は常に一貫して関節結核治療の原則に従つておらねばならないのであるから,股関節結核治療に就いて研究することは関節結核治療の普遍的原則を研究することになると考えられる.それで茲では股関節結核における私共の治療経験について述べると共に他の関節結核の治療に就いても少しずつ検討を加えて行きたいと恩つている.そうすることによつて関節結核治療法の全貌が非常に明瞭になり,又正しい批判への基準が得られるだろうと思つている.
 これから述べることは,その大部分が以前から考えられ,また行われて来た種々な治療法の範囲を出るものではない.たゞこれ等の治療法を一つの体系として整理したいという望を持つているのであつて,これはそのための思惟過程であると理解していたゞきたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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