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特集 整形外科特集号
化学療法下における骨関節結核の観血的手術とその再燃について
著者: 伊丹康人1 前田正彥1 川戶一1 柳瀨孝德1
所属機関: 1慈恵医大整形外科
ページ範囲:P.801 - P.807
文献購入ページに移動1943年Waksman一派によるStreptomycin(SM)の発見は結核治療の上に暗夜の燈とも言うべきものであるが,Lehmannによつて結核に有効な事が発表されたPAS,Benisch,Mietsch並にSchmidt教授等によつて創製せられたTB1,或はFox,Schnitzerによつて合成され,抗結核化学療法剤(化学療法剤)として取り上げられたIsonicotinic acid Hydrazine(INAH)等の出現は結核治療の上に一大変革をもたらしつゝあるといつても過言ではない.併しながらこの方面の研究が山積すると共に,又反省の日月が過ぎるにつれ,諸学者によつて,之等化学療法剤の効力の限界が次第に明示されると共に,之等薬剤の適応症の選定或は最も効果的な運用法が種々論議されつつある事は現今化学療法界の大きな流れというべきであろう.
吾が片山整形外科学教室に於てはSMが導入せられて以来,多数の臨床例と動物実験に於て,詳細なる細菌学的,病理組織学的検索がなされてきた.而,片山教授が骨関節結核の治療は極く初期のものを除いては,化学療法下に病巣の可及的完全なる剔出術(関節切除術)こそ極めて効果的である事を提唱せられ,既に数年以上にもならんとしている.
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