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文献詳細

雑誌文献

臨床外科9巻11号

1954年11月発行

特集 整形外科特集号

股関節人工骨頭手術の随伴障碍

著者: 関巖1 土田勝1

所属機関: 1日本赤十字社中央病院整形外科

ページ範囲:P.809 - P.817

文献概要

はしがき
 外傷或は諸種疾患の結果大腿骨頭部の欠損或は高度変形を来たせるもの,又惹いては陳旧性並びに新鮮大腿骨頸部骨折の治療法として人工的骨頭を挿入する手術は,1949年Judet兄弟によつて初めてAcryl樹脂製の人工骨頭(以下Prosthesis--Prと略記)使用例が多数且つ詳細に報告されるに及んで漸く学界注目の的となり,その後いささか濫施される観を呈したのであるが,本手術は未だ実験の域を脱せず,正しい批判を下すまでには今後尚お長年月の検討を必要とする現状である.私(関)は1950年頃より本手術を実施し,その結果は1952年以後毎年日本整形外科学会に報告して来たが,本手術は適応を誤らなければ確かに優秀な効果を挙げ得る自信を持つに至つた.然し乍ら多数症例の中には直接手術の影響による合併症を呈するもの,又術後経過中に発現する随伴現象が可成り多くあり,是等が手術効果を著しく阻害する事実を確認した.これら随伴現象の原因を探究し更にこれを予防する処置を考究することは,将来本手術が最も安全にでき且つ良好な成績を挙得げるに最も重要なことであると信じ,約40例の臨床実験から得た経験を記述し以て迫試される方々の便に供し度いと考える次第である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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