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文献詳細

雑誌文献

臨床外科9巻12号

1954年12月発行

文献概要

綜説

大腸運動と回盲部腸重積

著者: 植草実1 岡田三郞1 遠藤博1 林亨1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部外科学教室

ページ範囲:P.849 - P.856

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 回盲部腸重積の成因に就ては早くから興味を持たれているが素因,誘因に就てはとも角,その発生機序に関しては未だ殆ど不明である.腸重積の発生には今日でもNothnagelの痙攣説が広く行われているがこれを人の回盲部に当てはめるにはなお疑問があつてこの方面にはその後何等の新知見がない.その大きな理由はこの部分での実験的研究の困難性にあると思う.またそれが生体に起りうる条件で試みられねばならぬことも理由の一つである.
 古くから腸重積がしばしば腸壁腫瘤を先端として発生することはよく知られたところで,しかもその殆どすべてが下行型であることから,この場合,重積が発生,進行するには腫瘤が腸内容として腸運動によって牽引され附着部腸壁がこれに伴うのによるのであろうと云うことが考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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