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綜説
外科領域より見たる最近の血管收縮剤(1)
著者: 田中大平1 傅賴全1 近藤芳夫1 河合逸郞1
所属機関: 1東大分院外科
ページ範囲:P.857 - P.871
文献購入ページに移動最近の麻酔及び手術の目覚しい発展に伴い,手術時或いは術後循環障碍の危険が極めて多くなり,その対策が各方面から講ぜられている.その対策として,第1には輸血輸液に依つて,血管床に対する血量の過少を補う方法,第2には血管収縮剤を投与して,末梢血管床の容積を減少させ,重要臓器での血量との不均衡を是正し,血圧を上昇させる方法等が有効と見做されている.その様な見地から吾々は数年来血管收縮剤を再検討する必要を感じていたが,昨年末興和化学の尽力に依つてNeosynephrine hydrochloride(ネオシネジンコーワ)を入手する事が出来たので,これを機会にこの研究に着手した.
血管收縮剤としてカフェイン,ストリキニーネ等の中枢興奮剤や,ヂギタリス,麦角等の血管壁筋自身の刺戟剤を除き,交感神経末梢興奮剤の中,近年欧米で盛に研究せられている交感神経興奮性アミンに関して検討を加えたのである,これは外科的ショック或いは類似の循環障碍の時に,臨床的には最近特に交感神経興奮性アミンが問題になる為めである.
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