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文献詳細

雑誌文献

臨床外科9巻2号

1954年02月発行

文献概要

綜説

胃癌手術の拡大と直接成績について

著者: 石原恵三1 宮下謙治1

所属機関: 1群馬大学医学部外科教室

ページ範囲:P.73 - P.79

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 胃癌に対する胃切除術は,1881年,Th.Bill—rothによつて始められてから広く普及して数えきれないほど多数の患者に回生の悦を與え,その治療成績は年々向上しているが,永続治癒率は甚だ低い.手術後5年以上の生存者は根治手術例の20〜25%に過ぎず,しかも腫瘍剔出率が精々50%で,手術死亡率が10〜20%に達し,手術を受けられないものを入れると手術によつて永続治癒が得られるのは胃癌患者全体の僅か5%前後となる8)9)20).最近は成績がやゝ向上し19)11)28),W.Waltersは1907〜1916および1940〜1949年間の成績を比較して,5年生存率が180%増して14%に改善したと報じている.これを見ても胃癌の從来の手術成績がほかの癌(乳癌50%,結腸癌45%)にくらべていかに貧弱であるかが判る.胃癌は発生頻度において上位を占め,かつこれに対しては手術以外に有効な治療法のない現状からみて,これは由々しい問題である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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