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症例
文献概要
膀胱惡性腫瘍に対する從来の姑息的治療法では,その治療効果に一定の限度があるために,最近その根治療法として,膀胱全剔除術がとりあげられるようになり,それに伴う尿管腸吻合術が,色々と検討されてきている.ここ数年間に於ける化学療法の進歩,輸血,輸液の研究,麻醉の発達は,この大手術の安全性を大きくし,膀胱惡性腫瘍の根治療法は一段と向上するようになつた.我々は最近人工肛門造設を兼ねた直接式腹膜内尿管S字状結腸吻合術を行い,膀胱全剔除術を一次的に施行し,術後1ヵ年を経て,比較的順調なる経過をたどつた1例を経驗したので報告する.
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