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文献詳細

雑誌文献

臨床外科9巻3号

1954年03月発行

文献概要

症例

純型肺動脈狹窄症に対する手術

著者: 木村賢二1

所属機関: 1東京女子医大病院榊原外科

ページ範囲:P.147 - P.151

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 純型肺動脈狹窄症と呼ばれるものは,先天性心臓奇型の一種であつて,肺動脈弁に狹窄がありFallot氏四徴とは異つて心室中隔欠損を伴わぬものである.但し多くの場合心房中隔欠損を伴う.斯る心臓奇型は外国には多数報告せられて居るが,吾国では此処に報告する吾々の症例以外には報告をみない.
 本症は臨床症状に於てもFallot氏四徴とは大いに異なる.本症に対してはBrockが1949年始めて手術に成功,以来1949年15例,1951年40例等の報告をみた.その他Blalock, Kiefer, Potts, Müller, Longmire等欧米では多数の手術報告例がある.此処に報告する症例は吾が東京女子医大榊原外科に於て1951年6月及び1952年3月並びに1953年3月に手術し,治癒したものであり,本邦に於ては今日迄の処.之等の症例以外に手術の施行された例はない.尚お第1例及び第2例は1952年度第53回日本外科学会総会並びに雑誌上に発表した.從つて第3例を主として記することにする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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