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文献詳細

雑誌文献

臨床外科9巻4号

1954年04月発行

文献概要

綜説

ブロカインアミドによる椎間板ヘルニアの治療経驗

著者: 奥村吉文1 田村忍1 松浦潔1

所属機関: 1静岡縣立中央病院外科

ページ範囲:P.187 - P.189

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 現在椎間板ヘルニアは整形外科医により手術的に取扱われていることが多い様であるが,なお欧米の文献によれば難治のものが少くない.我々はWallace M. Shawの脊髄神経根遮断法により椎間板ヘルニアに塩酸プロカインを注射して良結果を得たが,之は一過性であり常に反復注射しなければならない不便を感じていた.適々第一製薬株式会社より10%塩酸プロカインアミド(以後單にプロカインアミドと記す)を提供せられたので,本剤を塩酸プロカインの代りに使用したところ卓越せる効果を認めた,
 衆知の如く塩酸プロカインは速効的鎮痛作用を有するため局所又は静脈注射に応用せられているが,又その副作用も決して見逃がすことが出来ない.之に反しプロカインアミドは塩酸プロカインに比し体内に於ける水解作用が極めて緩徐である為,作用機転も漸進的且つ永続的であり副作用も少い.E.F. TrautはDegenerative Arthaitis,椎間板ヘルニア,背筋に原因するLumbago, Bur—sitis, Periarthritis, Tendinitisによる肩胛関節部附近の疼痛,Shouldea-hand Syndromプロカインアミドを注射して良好な結果を得たと報告している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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