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文献詳細

雑誌文献

臨床外科9巻4号

1954年04月発行

文献概要

綜説

術後の蛋白同化促進要因としての「スメニン」について

著者: 原田恒彥1 千葉堯英1

所属機関: 1神戸医科大学産婦人科教室

ページ範囲:P.201 - P.204

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 生体が外傷とか,手術的侵襲をうけると,体蛋白の崩壊が増して蛋白出納が負となる事は古くより知られた所であるが,之を系統的に研究したのはCuthbertson1)であって,彼に依れば外傷後約1週間前後は体蛋白の異化作用が亢進するために蛋白出納が負となるのであつて,この時期をCatabolic phase(異化期)と言つている.しがし受傷後一定の期が過ぎると異化機転の亢進は止め,蛋白の同化が促進する時期が続くのであつて,この時期をanabolic phase(同化期)と呼んでいる.この術後の異化亢進の様相については千葉2)がすでに精しく発表した所で,その蛋白代謝は反応的な現れ方を示す.
 この様な術後生体の示す反応を総括して,一貫した説明をつけたのは,Selye3)のadaptation Syndromeの学説で,外的侵襲(Staess)に反応して副腎皮質ホルモン分泌を亢進して生体防衛に当ると云われている事は今日では周知の事である.之に続いて蛋白同化作用を示すAnabolic phaseが現れるが,此の期の様相に就ては原田4)が系統的に実験した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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