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文献詳細

雑誌文献

臨床外科9巻5号

1954年05月発行

文献概要

綜説

内臟知覚神経の末梢像

著者: 木村忠司1

所属機関: 1京都大学医学部第2外科

ページ範囲:P.255 - P.265

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 私が最近非常に感銘を受けた論文の1つにMax Claraの「知覚の解剖」なる綜説がある.その胃頭に「生理学と結びついてない解剖学は無意味な手細工に過ぎない」と言つているが蓋し至言である.解剖学者が仮りに内臓に知覚神経らしきものを発見しても,それ迄に若し生理学的に内臓の知覚が認められていなかつたならばこれを知覚神経と主張する根拠がない.内臓の知覚生理は永い間外科医の掌中にあり,Leunander以来内臓無知覚説が風摩していた間は必然的に内臓の神経は大部分自律神経と理解された.然しNothnagerやBentley等新しい外科医の緻密な観察に依てこの学説が壊れ始めてからは解剖学者の目も当然此の方面に向けられる様になり多くの業績が現われたのである.
 私自身の考えでは現に内臓の自律神経と目されているものゝ中から将来知覚性として再認識されるもが尚相当残つていると思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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