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文献詳細

雑誌文献

臨床外科9巻5号

1954年05月発行

文献概要

症例

日本住血吸虫卵による慢性炎症直腸狹窄の1治驗例

著者: 下河辺建五1

所属機関: 1久留米大学医学部外科学教室

ページ範囲:P.337 - P.339

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 日本住血吸虫症は,筑後川下流々域,山梨盆地,及び広島縣片山地方に於て,地方病として昔から知られて居る.他方外國に於ては,支那揚子江流域,フィリッピン,エジプト地方にも見られる.
 本虫の感染によつて,産卵された卵子が身体各臟器組織内に介在し,之の慢性刺戟に因つて,諸組織に種々の変化を示す樣になる.特に腸,肝,脾等が犯される事が多い.就中,腸管に於ては,廻腸末部,盲腸及び其の他の大腸部に著明な変化を来し,腺腸,肉芽組織の増殖,ポリープ,癌変性,或は慢性炎症,延いては瘢痕性狹窄等を惹起する場合が多い爲に,本症は内科的疾患としてだけでなく,外科的疾患としても,重要なものとなつて来る訳である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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