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文献詳細

雑誌文献

臨床外科9巻6号

1954年06月発行

綜説

陽性石鹸Septolによる手指消毒法について

著者: 松田精一1 山口康夫2 古田英一2

所属機関: 1日本大学若林外科 2日本大学細菌学教室

ページ範囲:P.385 - P.389

文献概要

緒言
 従来優れた外科的手指消毒法としてFürbrin—gerが1887年提唱した所謂Fürbringer氏法又はその変法が広く用いられ無痛法の発達と共に近代外科の偉大な進歩の推進力となつた事は勿論言を俟たない.この方法は石鹸とブラッシに依る機械的洗滌を主とし,併せて化学的消毒を行うものであるが,手術準備としてはその実施に比較的長時間を要し,又各種消毒剤を用うる等かなり煩雑であり,時には皮膚炎その他の障碍を起す等の欠点を持つている.而してG.Domagkが1935年陽性石鹸Zephirolを発表して以来,欧米諸国に於ては幾多のこの種消毒剤が研究され,殊にアメリカでは陽性石鹸Benzalkonium chlorideを薬局法に採用し、外科的消毒の簡易化が唱えられ一般診療に応用せらるゝに至つている.ところが我が国に於ては依然としてFürbringer氏法の想念に捉われ,最近までその改良は遅々として進まない状況にあった.近年に至りオスバン,ミヨシ等が製造され,それらに依る新手指消毒法が漸く注目される様になつた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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