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文献詳細

雑誌文献

臨床外科9巻6号

1954年06月発行

文献概要

症例

所謂バンチ氏病

著者: 二宮和子1

所属機関: 1市立宇和島病院

ページ範囲:P.403 - P.404

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 従来バンチ氏病として報告された症例の多くが,パンチ氏病に特有としてバンチが強調した脾濾胞の線維化を欠いているし,臨床上脾腫,貧血及び肝硬変の病像を呈する疾患はバンチ氏病に限らない.而して,かかる症状を惹起する原因は単一でないので,これをバンチ氏症候群なる呼称が安当であると考える人が多くなつた.
 バンチ氏病脾に於ては,鏡検的に,間質特に脾淋巴濾胞及びその周囲に結締織の増殖を来し為に脾濾胞は遂に消失するに至る.次で脾髄も漸次,硝子様結締組織に変化し,脾髄細胞は萎縮して、脾臓は瀰蔓性に硬化し,所謂フイブロアデニーの像を呈するに至るが,バンチは脾組織の線維化のうちでも濾胞に起るこの変化を最も重視している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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