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文献詳細

雑誌文献

臨床外科9巻7号

1954年07月発行

文献概要

症例

胃細網肉腫の1手術例と本邦に於けるその統計

著者: 川島保之助1 坂井英一1

所属機関: 1名古屋大学医学部橋本外科

ページ範囲:P.455 - P.457

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緒言
 故戸田教授が昭和28年3月23日迄の在職2年数ヵ月間に行われた全摘を含む胃切除例は総数152例であり,その内悪性腫瘍は97例,即ち63.8%であり,肉腫は本報告例の胃細網肉腫の1例のみで他は総て胃癌である.この事は文献に見られるその癌と肉腫との比率に比し,やゝ低い.
 さて近時胃原発性肉腫は胃癌より手術予後の良好な点より注目され報告も多くされている.即ちCrile,Hazard(1952)は胃リンパ肉腫19例の報告と同時に,主として胃リンパ肉腫手術例の遠隔成績に関する諸家の報告を記載している(表1).然し一方胃細網肉腫に関する臨床的統計の報告は未だ余り見られない様である.これは症例数の少い為と思われる.即ち本邦でのその手術例の報告は吾々の検べた範囲では13例に過ぎない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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