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文献詳細

雑誌文献

臨床外科9巻9号

1954年09月発行

文献概要

特集 慢性胃炎と胃潰瘍

慢性胃炎の胃切除適應についての臨床的検討

著者: 稗田富士雄1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部外科学教室

ページ範囲:P.601 - P.609

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緒言
 昭和14年の日本外科学会に於いて友田教授は「胃炎の症状は潰瘍のそれと全く同様であつて内科的に難治のもの,出血を伴うもの,炎症性幽門肥厚により狭窄症状を呈するものは,相対的外科手術適応症である」と提唱し,またこれに前後して吉沢,瘳浜氏等は胃炎の胃切除治験例を報告して居るが,此れらはいずれも潰瘍症と同様の症状を呈して居り潰瘍と診断して手術を行い,之によつて始めて慢性胃炎たることが判つたものである.然しそれらの経験に基きUlcusbereitrehaft,Ulcuskrankheit ohne Ulcus,Antrumgastritis等と称されて居る慢性胃炎であつても,内科的療法で難治の場合は外科的手術療法の適応となし得ると唱えられるに至つた.
 また一方慢性胃炎から癌が発生するという考えは古くBuchner,Konjetzny氏以来論ぜられ来つたが.現在では慢性胃炎を母地とする胃癌の存在は承認されて居り,ポリープ,潰瘍と共に慢性胃炎は癌性化の可能性大なるものとして重視されるに至つた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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