icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科1巻3号

1947年08月発行

--------------------

性周期の法則—欧米人との差

著者: 堂元貢

ページ範囲:P.207 - P.211

文献概要

 日本人の月經周期は未だ明にされていないのであつて,生理學及び婦人科學の成書にも歐米人と同じく28日周期とされているのであるが,果して兩者共同じ周期で繰返されているのであろうか。以下性周期の法則によつてこの點を明にして見ることとする。
 從來周期の代表値は統計の平均値を以つて表わされて來た。しかしこの平均値はその統計の資料の如何によつて變化する。即ち初潮期,閉經期,産後及び疾患時等の移動のはげしい時期は別としても,成熟期婦人の正常の場合と云ふ定義かむづかしい以上資料となる婦人の健康状態及び數量によつて平均値は變化するから,平均値丈では代表値とする事に不安を覺えるのである。從つて平均値が切角31日或は30日となつても是が日本人の基本周期であると主張する事が出來なかつたのである。これは又歐米人の周期が既に28日とされてゐるから,これに拘泥するためでもあつて,日本人も又恐らく歐米人も日本人の平均値は資料が惡いために生じたものだろう位に考えられて來た樣である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら