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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科10巻11号

1956年11月発行

特集 性別診断の進歩

羊水中上皮細胞による胎児性別に就いて

著者: 熊切俊太郎1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.741 - P.755

文献概要

I.緒言
 分娩前に於ける胎児性別の判定に就いては,古くより関心を持たれ,多くの研究がなされて居り,その中には化学的検査或いはホルモン検査等による科学的な方法1)2)もあるが,多くのものは経験または統計的調査に基づいた寧ろ非科学的なもの3)で実用性のある確実性のものは全くなかつた。
 理論的に確かな方法としては橋爪4)の発表したレントゲン造影剤の羊水内注入による胎児外陰部輪廓をレ線上に判定する方法があるが,これとても手技や判定が難かしく,然も妊娠末期にならないと判定困難なため実用性に乏しく臨床上の応用は起らなかつた。最近Barr及びBertram等は体細胞核の形態に性差を認め得ることを発見して以来,多くの追試と相侯って性腺発育異常の如き性分化異常に対する性の決定に重要な一診断法として登場し,急激に識者の関心を集める様になつて来た。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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