文献詳細
特集 性別診断の進歩
文献概要
I.緒言
分娩前に於ける胎児性別の判定に就いては,古くより関心を持たれ,多くの研究がなされて居り,その中には化学的検査或いはホルモン検査等による科学的な方法1)2)もあるが,多くのものは経験または統計的調査に基づいた寧ろ非科学的なもの3)で実用性のある確実性のものは全くなかつた。
理論的に確かな方法としては橋爪4)の発表したレントゲン造影剤の羊水内注入による胎児外陰部輪廓をレ線上に判定する方法があるが,これとても手技や判定が難かしく,然も妊娠末期にならないと判定困難なため実用性に乏しく臨床上の応用は起らなかつた。最近Barr及びBertram等は体細胞核の形態に性差を認め得ることを発見して以来,多くの追試と相侯って性腺発育異常の如き性分化異常に対する性の決定に重要な一診断法として登場し,急激に識者の関心を集める様になつて来た。
分娩前に於ける胎児性別の判定に就いては,古くより関心を持たれ,多くの研究がなされて居り,その中には化学的検査或いはホルモン検査等による科学的な方法1)2)もあるが,多くのものは経験または統計的調査に基づいた寧ろ非科学的なもの3)で実用性のある確実性のものは全くなかつた。
理論的に確かな方法としては橋爪4)の発表したレントゲン造影剤の羊水内注入による胎児外陰部輪廓をレ線上に判定する方法があるが,これとても手技や判定が難かしく,然も妊娠末期にならないと判定困難なため実用性に乏しく臨床上の応用は起らなかつた。最近Barr及びBertram等は体細胞核の形態に性差を認め得ることを発見して以来,多くの追試と相侯って性腺発育異常の如き性分化異常に対する性の決定に重要な一診断法として登場し,急激に識者の関心を集める様になつて来た。
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