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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科10巻11号

1956年11月発行

文献概要

原著

妊婦の血中progesterone量の生物学的研究

著者: 藤井久四郎1 星野一正1 青木一郎1 八尾十三1

所属機関: 1東京医科歯科大学産婦人科教室

ページ範囲:P.764 - P.767

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はしがき
 黄体ホルモンの生物学的検出法はComer&Allen1)(1929)法にはじまり,その後の研究によりClauberg(1930)法は約2倍,子宮内注入Clau-berg法ともいうべきMc Ginty3)(1939)法及び鈴木4)法(1947)は約500倍,また趣を異にしたHooker&Forbes法(1947)は約500×104倍の感度を有するものである。特に後者によつて血中progesteroneの定量がこの数年来行われ,婦人の月経黄体期に於いて増量することは多くの研究者によつて認められている。したがつて黄体期の延長ともみるべき妊娠期に於いても血中pro-gesteroneの増量すべきことが,尿中pregnanediolの著しい増量からも推定されるのであるが,これまでの諸家の成績では陰性または不定に証明されるにすぎず,かえつて黄体期のそれよりも低い。他方化学的方法による報告では更に測定値が低い。この矛盾を如何に解すべきかは今日の課題である。われわれは生物学的方法でこの点を再吟味するのを目的としてこの研究を行つた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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