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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科10巻11号

1956年11月発行

文献概要

原著

Saddle Block Anesthesiaによる産科麻酔法

著者: 洪淳昌1

所属機関: 1名古屋大学病理学教室

ページ範囲:P.767 - P.770

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Ⅰ.緒言
 入院分娩例の増加と共に産科麻酔は一段とその重要性が強調され普へん性をおびつつあり産科医並びに麻酔医は,妊婦を陣痛及び分娩経過中に起る痛みより解放し,過強な陣痛或いは不必要な分娩時の疼痛の為に起る母子の危急を救わんと努め探求を続けている。其の目的として種々の麻酔法,麻酔薬が水泡の如く現れては又去りつつあるが,領域麻酔の一種であるSaddle Block Anesthesiaが産科麻酔法として広く用いられ確固たる位置を占める様になつたのは第2次大戦後の事である。
 Maternal Deathの主なる原因は感染,出血,妊娠中毒症,心臓疾患,麻酔,嘔吐物の気管内吸引及びショック等であるが感染,出血,妊娠中毒症等は抗性物質,血液銀行の利用範囲の拡大,陣痛第3期に子宮収縮剤の効果的な使用法により,或いはもつと合理的なPrenatal Care等により著明に減少しつつあるがかかる減少はMaternal Deathの比較的増加を麻酔の為であると批判され勝ちであるし,又されつつある現状である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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