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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科10巻12号

1956年12月発行

文献概要

原著

都市並びに農村女子中高校生の初潮に関する観察

著者: 松本清一1 福島省吾1 若松歌子1 瀬川煕1 宮部黎子1

所属機関: 1関東逓信病院産婦人科

ページ範囲:P.828 - P.834

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I.緒言
 女学生に就いての初潮年齢の調査や初潮に関する種々の観察は我国でも既に多数報告されていて今更新しく述べるまでもないが,ただ戦後我国に起りつつある急激な社会的変動は色々な意味で思春期婦人の性機能発達に重大な影響を与えているように考えられる。例えば初潮年齢に就いて見ても安田44),橋口他3),松本16)等によれば戦争末期から戦後にかけてそれが遅発する傾向が認められ,中村23),石沢他9),原2),山田他40),斎藤29),延島26)等,戦後に行われた調査では戦前に比し遅れていると報告するものが多い。一方また橋口3),斎藤29),中西24),高橋他33),松永19)等は最近では再び次第に早まる傾向があると述べている。
 また初潮は一般に文化程度並びに生活水準の高い方が早発するとされているが,我国で市部と郡部とを比較した報告を見ると,小川・八田28),内藤22),栗栖14)等の観察では市部に比し郡部では明らかに遅いとされているのに対し,石坂8),山田41),石沢9),斎藤他29)等両者の間に差異を認めないという報告も多い。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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