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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科10巻13号

1956年12月発行

特集 産婦人科及びその境界領域の循環器系疾患

心臓のレントゲン像

著者: 美甘義夫1 伊藤巖1

所属機関: 1東京大学美甘内科

ページ範囲:P.865 - P.874

文献概要

 妊娠が心臓に対して大きな影響を及ぼすことは周知であり,殊に心臓病患者については患者が妊娠してもよいか否か,あるいは既に開始した妊娠を中絶すべきか否か,更に妊娠を続けるに当つてはいかなる注意を払うべきか等について極めて重要な問題がある。これらの問題の解決に当つては,純医学的判断のみならず患者の家庭状況,社会的地位,経済的条件等をも考慮に入れねばならぬことが多く,種々の困難が附随するが,医師の取扱いの適否が母児の予後に大きな差異を生ずることを思えば,内科医も産婦人科医もかかる領域について豊富な知識と経験を有することが望まれる。勿論この場合最も重要なのは,まず心臓の状態を正確に診断し把握するということである。心臓の状態を診断するためにはそのレ線像は欠くことのできない要素であり,レ線像のみによつて医師の判断が大きく左右されることも稀でない。以下正常心臓ならびに病的心臓のレ線像について概説すると共に,妊娠時における変化を中心として参考になると思われる事柄を少しく述べて見よう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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