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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科10巻13号

1956年12月発行

特集 産婦人科及びその境界領域の循環器系疾患

低血圧症について

著者: 上田泰1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学

ページ範囲:P.955 - P.958

文献概要

はしがき
 動脈血圧が心臓の収縮力,搏出量,循環血液量,末梢血管抵抗及び血液粘稠度などによつて左右されることは周知のところである。動脈血圧特に収縮期血圧(最高血圧)が正常の範囲を逸脱して長く持続する場合を「病的な血圧」と考える。高い場合が高血圧症であり,低い場合が低血圧症であることは云うまでもない。動脈血圧に影響する諸要素の何れかに異常があつても血圧は変化するが,単一の要素のみによつて血圧が変動する場合は少く,むしろ幾つかの要素の組合せによつて長期間に亘つて変化する場合が多いが,また発生原因の明らかでない血圧異常も存在する。今日の研究成果よりすれば,本態性高血圧症と本態性低血圧症とでは,その成因は対照的なものではなく,全く別個な原因によつて発生するものと考えられている。そしてこの高血圧症は生命に関連する要素を多分に含んでいるのにひき換えて,低血圧症はかゝる要素は少くむしろ長寿に関連さえしていることが明らかにされている。以下低血圧症について述べてみる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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