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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科10巻2号

1956年02月発行

原著

出生時体重1069gの未熟児哺育例について

著者: 塩見勉三1 湯原安彦1 知識研治1 野村岩夫1

所属機関: 1武蔵野赤十字病院産婦人科

ページ範囲:P.118 - P.121

文献概要

緒言
 1948年の世界保健機構(WHO)の決定に依れば体重2500gr以下で生れたものは全て未熟児といわれ在胎月数には関係がない。未熟児の発生頻度についての全国平均は5〜15%といわれている。未熟児の死亡率はその出生時体重・出生後の看護の適否によつて大きく左右されるが外国の統計でも日本の統計でも出生時体重の小さいもの程死亡率が高く,出生時体重2.5kg〜2.0kgの死亡率は9.5%,生下時体重2.0kg〜1.5kgの死亡率は34.2%,生下時体重1.5〜1.0kgの死亡率は75.5%,出生時体重1.0kg以下の死亡率は100%と報告されている。
 従つて出生時体重の小さいもの程未熟児の哺育の困難なことは言う迄もなく,古くからその哺育に関しては幾多の苦心がなされて来たが,従来のブドー糖・インシュリン注射に代つて最近はAn—drogenの蛋白質同化作用が利用され,又ペニシリンに依る感染防止・更にはオーレオマイシン等の抗生物質及びV.B12によるアミノ酸の分解阻止・体重増加作用が応用されるに至り,未熟児の各種哺育例についての多くの報告がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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