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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科10巻2号

1956年02月発行

文献概要

速報

産婦人科疾患と抗線維素溶解酵素(第1報)—子宮癌と抗線維素溶解酵素

著者: 朝日治1

所属機関: 1名古屋大学産婦人科

ページ範囲:P.131 - P.132

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I.緒論
 線維素が溶解されたり一度凝固した血液が再び溶解して流動性となるという事は,正常の場合には殆ど起らないか,或は起つても極めて徐々にしか進行しないものである。併し或る種の条件の下では血液凝固に際して析出した線維素が再び溶解消失する現象はGreen (1887)及びDastre (1893)等によつて確認され,更にDastreによりこの現象は線維素溶解現象fibrinolysisと命名された。次いでNolf (1905)は犬のPeptonschockに於てもこの現象を認めているが,以後この研究は暫らく顧られなかつた。
 最近になつてMac Farlene(1936),Yudin(1936),Smith & Smith (1945),Wilson & Mu-nnell(1946)等により臨床的に種々研究され,手術後,ショック時,火傷,麻酔時,月経時,妊娠中毒症,肝疾患等にも血液の線維線溶解現象が発現する事が認められた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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