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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科10巻3号

1956年03月発行

文献概要

特集 子宮内膜症

妊娠と合併し外妊様症状を呈した内膜症嚢腫の1例

著者: 岩崎寛和1

所属機関: 1東京都立大久保病院産婦人科

ページ範囲:P.149 - P.152

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 卵巣腫瘍の中で内容がチヨコレート様の物質である所謂チヨコレート嚢腫は,臨牀の的呼称であつて組織的には内膜症嚢腫が多いことがSam-psonの報告以来Novak其他の研究があり知られている事で,本邦でも最近三宅氏がNovakに做つてその非定型例を報じている。所で内膜症嚢腫は屡不妊の原因となるために妊娠との合併例は極めて少なく,Scott(1944)の2例を含めて11例を見るに過ぎぬ,妊娠に卵集腫瘍の合併するのは妊娠の0.1-0.2%であり,概ね腺性嚢腫(特に仮性ムチン性)と皮様嚢腫である。木村,藤井氏13)等の15年間105例(東大)の中テール嚢腫の1例があるが,組織所見の記載がなく,先ず本邦では内膜症嚢腫と妊娠の合併は殆んど見ないと云つても過言でない。
 又内膜症嚢腫は一般には臨牀症状に乏しいが,時として急性症状を起す事があるのはSampson以下の報じた通りである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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