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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科10巻4号

1956年04月発行

特集 麻酔

ステロイドの麻酔作用

著者: 坂倉啓夫 北井徳蔵 金英根 平林光之助

ページ範囲:P.199 - P.205

文献概要

 1941年Selyeはステロイドホルモンの生理作用の実験中ラツテに100mgのtestosterone,pro-gesterone,DOOA等を皮下注射しても急性過剰現象(acute overdosage phenomena)が起らなかつたことは吸收が遅いためであろうと考え,油溶ステロイドを腹腔中に注射し,吸收を早くし,急性過剰作用の研究を行つた。
 先ず30匹の雄と雌の体重90〜135g(平均107g)の白鼠を6匹ずつ1群として5群に分け,それぞれにDOCA,progesterone,testosterone α-estradiol,cholesterolの35mgを1.5ccの落花生油に溶かして,ラツテの腹腔に1回の注射を行つた。15分後にはDOCA,progesterone注射ラツテの中,雌は総て麻酔に落ち入り雄ではDOCA,群で唯一匹,progesterone群で2匹が幾分麻酔されたのみであつた。testosterone群の雌ラツテは注射後1時間以上も経つてから深麻酔に落ちたが,雌は全く麻酔にはかゝらなかつた。estradiol,cholesterol群は全く麻酔にはかゝらなかつた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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