icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科10巻4号

1956年04月発行

特集 麻酔

最少有効腰麻量の再検討

著者: 渡辺公明1 鈴木正英1

所属機関: 1静岡赤十字病院産婦人科

ページ範囲:P.207 - P.208

文献概要

緒言
 腰椎麻酔法は下腹筋の緊張を去り手術殊に下腹部の操作を主とする婦人科手術には極あて有効な麻酔法である。此等の点から1897年A.Bierに始まりKrönig Gaus等により応用され且つ種々改善されて来て現在では広く実施されて居り,山田の本邦に於ける昭和23年の調査に於ても26の大病院中25の病院に於て腰麻を使用して居る事から見ても明かに普及化されて居る。然るに腰麻とて万能では無く幾多の危険及び副作用が有り特に重要なる欠点として血行虚脱及び呼吸麻痺等による麻酔死の有る事と,更に麻酔無効例の若干有る事が挙げられる。
 之等腰麻に伴う危険を防止し然も麻酔効果を有効に挙げる為に古来種々の腰麻術式が工夫改善され1944年Lull,Hingsonは麻酔液量を少量に止めて使用し,又一層稀薄な液を使用する持続的腰椎麻酔法を発表しStanley.Tonie,Hellijasは帝王切開にも応用しているが5〜10%の麻酔効果不充分が認められて居る。又本邦に於ては安井氏は血行虚脱の防止策として特に腰麻藥量に就て強調し藥量は必要量少量に止む可きであつて婦人科手徳にはPro kilo 0.025〜0.03cc帝王切開には0.015〜0.02ccでよいと発表して居る。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら