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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科10巻4号

1956年04月発行

文献概要

速報

新産児仮死に対するテラプチクの使用経験—特に各種の投与方法の比較検討

著者: 谷山清司1 飯田孟1

所属機関: 1養育会病院産婦人科

ページ範囲:P.261 - P.264

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緒言
 新産児仮死に対してテラプチクの臍帯静脈内注射が著効を奏する事は既に明らかである。しかし時期を失して臍帯静脈に注入出来なくなつた場合,一般に新産児特に仮死児に対して静注を確実に行うのは困難であるから,皮下或は筋肉内注射用の強力な藥剤が切望されるのは当然である。かかる場合ビタカンファーは一応試みる藥剤であるが無効の場合も少からず,特殊の装置による酸素吸入或は電気的刺激を必要としている。しかし設備のない所では止むを得ず頭蓋内出血,嚥下性肺炎或は呼吸器損傷の危険を侵して種々の人工呼吸法が行われている現状である。従つて「テラプチク筋注」の効果が勝れておりしかも副作用を認めぬならば,使用方法が簡単である点,危険な操作を回避し得る点に於て理想に近いものである。又極度に重症で心膊動も弱く死亡寸前の症例に対しては臍帯静脈内注射は困難で或は可能でもその効果は疑わしく,勿論筋注も無効と思われるので心臓内直接注射を最後の手段として試みても良いと考える。我々は「テラプチク静注」の臍帯静脈注射8例心臓内注射2例及び「テラプチク筋注」使用7例を経験し,使用形式別に見た適応,使用時期,効果,副作用等を比較検討したので報告する。尚各症例とも仮死に対する一般的処置が無効である事を確めた後テラプチクを使用した比較的重症例のみである事を附記する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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