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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科10巻5号

1956年05月発行

原著

正常月経周期に於ける眼球結膜血管変化の顕微鏡撮影観察

著者: 菊田昇1

所属機関: 1東北大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.279 - P.281

文献概要

第1章 緒言
 成熟婦人の骨盤腔内血管が月経直前又は月経期は拡大充血し,出血し易いことは婦人科医の開腹手術に際して常に経験するところであり,それと同時に全身の血管系にも或程度の変化が性周期に応じて起ることは以前から考えられていた。
 Kieser1)(1933)は月経時に,鼻,直腸,肺,膀胱からの出血例を報告し,Frank2)(1929)は月経前期に大腿や前膊の屈面に皮下出血を起す例を報告した。Stephan3)(1921)はRumpel-Leede現象を用い,毛細血管出血は月経中に起り易いことを証明し,Hagen4)(1922)は皮膚の毛細管顕微鏡により月経前期の血管に攣縮を認めた。Markee5)(1932)は猿の眼前房に子宮内膜を移植して子宮内膜血管の周期性変化を証明した。Gebert6)(1936)は皮膚描記潜伏期測定により,Brewer7)(1938)は皮膚毛細血管壁の抵抗測定により,夫々,末梢血管の周期性変化を認めた。国友8)(昭25)は人結膜血管の生体顕微鏡像所見を観察し,結膜血管の分布状態は皮膚の血管のそれと全く同じであると述べた。最近,Landesmann他9)(1953)は眼球結膜血管の周期性変化を撮影観察し,詳細な変化を報告し,「1.月経期には細動脈は波動運動が亢進し,管径が細狭となり,細静脈及び毛細血管の血流は徐行し,顆粒状像を呈し,毛細血管は局所貧血を示す。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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