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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科10巻5号

1956年05月発行

文献概要

原著

妊娠月令より見たる羊水諸性状の消長について—(第3報)妊娠月令よりみたる羊水のNa,Kの消長に就て

著者: 新井賢治12

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部産婦人科教室 2東京医科歯科大学医学部生化学教室

ページ範囲:P.283 - P.286

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緒論
 妊娠月令より見たる羊水諸性状の消長の中,著者は既に第1報1)に於ては羊水の量,比重及び,pH値に就て,第2報2)に於ては羊水の総窒素,残余窒素及び総蛋白濃度に就てそれぞれ詳細に報告したが,本報に於ては羊水中のNa及びK濃度の妊娠月令別消長に就て報告したいと思う。尚これも既に述べたことではあるが,第1報に於ける羊水比重の月齢別消長が既に報告された井上3)のそれと若干異る点があつたので,この問題の検討という意味もあり比重に及ぼすNa及びK濃度の関係をも闡明しようと試みた。即ち著者は第2報に於て羊水中の蛋白濃度と比重との相関々係を検討した結果,羊水の比重はその中に含有される蛋白濃度の多少に極めて大きく影響されることを知つたが,その際にも述べた如く,羊水の総蛋白濃度は血漿又は血清のそれに比して極めて少量であるのでNaCl等の塩類が蛋白量と共に比重を支配する大きな因子となつているとも思われるので,念のため本報に於ては測定総例数81例中同一試料より比重と同時にNa及びK濃度を測定した25例について比重と塩類についての相関の有無を,又同一試料より同時に塩類と蛋白濃度を測定した17例について塩類と蛋白量の相関の有無をも検討した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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