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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科10巻5号

1956年05月発行

原著

基礎体温の測定部位による現われ方について

著者: 星野一正1

所属機関: 1東京医科歯科大学産婦人科学教室

ページ範囲:P.301 - P.312

文献概要

はしがき
 月経周期と体温変動との関連性への注意は既に19世紀の初期より向けられ,婦人の物質代謝を始め,諸生理現象が月経周期と共に周期的変化を起し,体温も亦同様に変動するという所謂婦人生理現象波動説が樹立された。しかし研究の初期の段階では特に月経前期体温上昇が問題とされ結核による病的な現象又は体質或いは内分泌障害に依る異常な現象と考えられて居たが,次第に研究が進むにつれ,この体温変動が卵巣機能特に排卵或いは黄体機能と関係があり,婦人性周期に伴う生理的現象である事が判明し,体温変動から排卵期を推定し得る方法として注目されるに至り,Ruben—stein (1937)15)が毎朝覚醒時臥床のまま検温し体温表に記録すると,その体温曲線が周期的体温変動を明瞭に現わし,排卵期推定法として臨床的に応用雌来る可能性を示唆して,Basal Body Tem—peratureと名付けて以来,これに関する研究は非常な躍進をとげ,今日では産婦人科の広い範囲の診療面に欠く事の出来ない診断法と認められ活用されるに至つている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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