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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科10巻6号

1956年06月発行

速報

医学実験用赤毛猿の飼育及び管理法

著者: 蓮井敏子1

所属機関: 1蓮井医学研究所

ページ範囲:P.449 - P.451

文献概要

I,本邦に於ける医学実験用猿に就いて
1.種類
 北海道を除く各地に棲む日本猿Macacus fuscatus,台湾の台湾猿Macacus cyclopsis,マレーの蟹喰猿Macacus cynomolgus,及び主として印度に棲む赤毛猿Macacus rhesusがある。日本猿は本州,九州,四国の各地に群棲して最も捕獲に好都合と思われるが,多数実験用に供するまでの捕獲は棲息地が人間の近付けない処だつたり,人間に慣らすまで相当の期間と努力を要する関係上現在の処困難である。然し大分県,高崎山,大阪府の箕面等では馴致が成功している処もあるので将来は実験用として多数の日本猿を利用する時もあると思う。台湾猿,蟹喰猿は輸入の許可さえあれば入手は容易である。赤毛猿はレーサス猿,ベンガル猿Bengal monkeyとも称され戦前は多数輸入せられ動物園に飼育されたり又医学実験にも供され,Hartman,Corner, Allen,等の研究にもある通り従前より婦人科学に必要な実験用猿として知られ又Rh反応には欠くべからざるものでRhesusの最初の二字をとつて示している程である。
 本猿は普通猿科Macacus (脊椎動物vertebrate,哺乳網Mammalid,霊長目primates)に属し前記日本猿等と同一種に属するもので北部印度,ヒマラヤよリゴダベリーに至る地方,カシミヤよりビルマに至る地方,又最近では中国北部方面に分布棲息している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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