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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科10巻8号

1956年08月発行

文献概要

原著

腟トリコモナスを以てする感作赤血球凝集反応に関する研究

著者: 石井次男1 林公健1

所属機関: 1信州大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.549 - P.553

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緒言
 感作赤血球凝集反応は1948年濠州のKeogh,North及びWarburton1)の報告にはじまる。それは,B型インフルエンザ菌,志賀赤痢菌,髄膜炎菌,ブドー球菌,レンサ球菌,肺炎球菌,プロテウス菌及び若干のサルモネラ族の菌について石炭酸抽出法によつて得た多糖体の溶液を緬羊赤血球の表面に吸着させ,これに免疫血清を併せると特異的抗原抗体反応の結果として緬羊赤血球が連り,血球凝集反応として可視的に認められるのである。この機作によつて沈降反応で認められない程度の抗原抗体反応でも確認されるようになつた。また,Middlebrook及びDubos2)(1948)はツベルクリンから石炭酸抽出法で分離した多糖体を緬羊赤血球に吸着させ,家兎免疫血清と併せて赤血球凝集反応を証明し,更にMiddlebrook3)(1950),Fi-sher4)(1950)等により赤血球凝集反応を起させた後に補体を添加することによつて溶血反応が成立することが判つた。特にMiddlebrookは人の結核症についてはじめてこの両方法を応用したので所謂Middlebrook-Dubosの現象として有名になり,結核症への応用には多数の報告がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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