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原著
文献概要
Ⅰ.緒言
癌の生化学,就中その酵素学的諸研究の中で,最も大きな近年の成果のひとつは,肝カタラーゼのそれに関する一連の諸研究である。すなわち,Greenstein1),中原—福岡2)その他の研究によつて,担癌動物や癌患者の肝カタラーゼ活性値が著明な低下を示すことが広く認められ,その機序についても深く研究がすすめられている。
私達はこの知見を臨床の実地に応用したいと考えたが,しかし,生きている患者の肝組織のカタラーゼ活性値を調べることは非常に困難であるので,肝よりも入手が容易な,血清・尿・腹水などのカタラーゼ活性値を測定して,これを癌の生化学的診断に役立てることが出来まいかと考えて,2〜3検討を加えてみた。その成績の一部をここに報告する。
癌の生化学,就中その酵素学的諸研究の中で,最も大きな近年の成果のひとつは,肝カタラーゼのそれに関する一連の諸研究である。すなわち,Greenstein1),中原—福岡2)その他の研究によつて,担癌動物や癌患者の肝カタラーゼ活性値が著明な低下を示すことが広く認められ,その機序についても深く研究がすすめられている。
私達はこの知見を臨床の実地に応用したいと考えたが,しかし,生きている患者の肝組織のカタラーゼ活性値を調べることは非常に困難であるので,肝よりも入手が容易な,血清・尿・腹水などのカタラーゼ活性値を測定して,これを癌の生化学的診断に役立てることが出来まいかと考えて,2〜3検討を加えてみた。その成績の一部をここに報告する。
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