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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科10巻8号

1956年08月発行

原著

自律神経症に対するPara-hydroxypropiophenoneの実験的並びに臨床的研究

著者: 渡邊一郞1

所属機関: 1岡山大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.573 - P.576

文献概要

緒言
 婦人自律神経失調症殊に更年期障碍に関しては内分泌学の進歩と共にその本態が漸く明らかにされつつあるが,最近は多腺性障碍即ち内分泌平衡の失調に依る自律神経中枢殊に間脳が重要視されている。併し中でも卵巣ホルモン並びに性腺刺戟ホルモンがその重大な役割を演じている事は既に1929年Zondekに依り報告されて以来現在も疑無いところである。
 治療に関しては古くからエストロゲンが用いられているがその濫用はとかく批判のあるところであるが,その作用機序はエストロゲン・レベルの補正と共に下垂体ゴナドトロピン産生抑制作用という中枢調整作用が認められている。尚エストロゲンは発情物質であり性器に対する作用強く殊に子宮内膜増殖作用ひいては不正子宮出血等の望ましからぬ結果を招来する。かかる不快作用なく然も下垂体抑制作用を有する物質が自律神経失調症殊に下垂体亢進型に対して望ましいわけである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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