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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科10巻9号

1956年09月発行

原著

赤毛猿の性周期に及ぼすアンドロゲンの影響

著者: 蓮井敏子1

所属機関: 1蓮井医学研究所

ページ範囲:P.613 - P.617

文献概要

 近時,ホルモン測定法の進歩と共に,女性体内に於ても異性ホルモンであるアントロゲンが分泌され,而もエストロゲン,ゲスターゲンとの相互作用によつて円滑に性機能が遂行されていることが立証され,又一方,婦人科疾患に対する治療法としてもアンドロゲンが広範囲に利用される等,婦人科領域に於てアンドロゲンは益々重要視されつつある。然し乍ら,女性体内に於けるアンドロゲンの代謝及びアンドロゲン療法の作用機転等については尚,不明の点が多く之が究明は目下の緊要事であると云わねばならない。
 赤毛猿は,人に近似した月経周期を有するのでホルモン研究に於ける最も重要な基礎実験動物であり,特に私が既に発表せる如く,月経状態の変化,直腸腹壁双合診,腟内容塗抹標本,頸管粘液等によりその性周期の変化を容易に観察することが出来,その成績は人に対しても充分に推測し得る利点がある。茲に私は,赤毛猿の性生理の観察の一部としてアンドロゲン投与による性周期の変化を観察したので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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