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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科11巻10号

1957年10月発行

文献概要

薬剤の臨床

産婦人科領域の感染症に対するオムナシリンの治療効果

著者: 渡辺公明1 針谷成夫1

所属機関: 1静岡赤十字病院産婦人科

ページ範囲:P.711 - P.713

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緒言
 最近ペニシリン無効例に就いて種々論議されて居るが,ペニシリン感性菌でも抗ペニシリン性質を多分に持っ様になつて来た事はペニシリン発見当時からの乱用にも一部罪を帰す事が出来るが菌の抵抗と云う事丈で,ペニシリン無効例の凡てを説明する事は誤りである。色々研究されてきたが結局の所Günther, Reploh, Gericke の云う如くに生体防禦機能や免疫状態が最も重要の様である,即ち慢性疾患とか老人病の様に生体防禦機能が低下した時には如何なる抗生物質も無効か或は一時的の効果は見られても持続作用は見られ無いと述べて居る。そもそも抗生物質を使用すると此の生体防禦機能も抑制される事実が多く報告されて居る。即ち Welch は試験管内で高濃度のペニシリンの白血球喰菌現象停止作用を認め,またBieder-mann, Gilbertは生体内でも常用量のペニシリン投与により葡萄状球菌に対する血液の喰菌能力が著しく抑制されると云い,最近ではMayer-Rohnも之を実証して居る。此処に於てペニシリン療法には生体防禦機能を同時に亢進させる事が問題なく重要になつて来た。Gericfee, Reploh等は抗生物質で低下する生体防禦機能を非特異性免疫元療法で再亢進出来ると述べKuroda, Schnitzer,Bi-elingも之に賛成して居る。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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